2020年(令和2年)1〜2月日本茶輸出状況
1月は、前年のマイナスをカバーするように、数量で前年比114%、金額で103%と順調なスタートをしたが、2月期も全体で数量123%、金額で106%と上乗せが出来た。
特に、安定的輸出先である米国、台湾、香港の伸張が顕著で、全体への寄与度も高い。
注目は、中国、ロシアで前年を大きく上回っていることである。
しかしながら、EUを含むヨーロッパへの輸出が低調で、英国がEU離脱したことによりそれぞれが「国」としての意識が顕在化したことも影響しているかもしれない。
因みに、上位20ヵ国の輸出実績を見ると、数量で98%、金額で98%と、ほぼ全体を占めている。
2月期は、1月から発生した新型コロナウイルスの影響はあまり感じられない結果であるが、 この流行は世界的なものであり、全世界の生活、物流、経済が大きく影響を受けるだけに、3月以降の輸出は大きな困難が考えられる。
過日、政府は、我が国の農林水産物輸出を2030年までに5兆円を目指すことを発表した。
これまでの「1兆円目標」では、日本茶は「150億円」の目標を課せられた。幸い、2018年度に153億円を達成したが、全体が5倍に拡大することにより、2030年の目標は数量で25000トンとされたが近年の輸出単価3,000円/kgとすると、750億円という大きなタスクとなる。
国内の日本茶消費量は、人口の減少と共に今後も縮小が続くことが予想される中、当面、1万トンの輸出を目標とし、生産および茶業の維持・発展の糧としなければならないと考えます。
●過去の輸出実績データについては、資料一覧ページをご覧ください。