日本茶輸出のあゆみ

 統計上の記録は近代になるまで得られませんが、江戸時代すでに日本茶の輸出が始まり、幕末から明治の初めころまで、絹と並ぶ重要な輸出品として我が国の近代化に寄与したことが知られています。明治の半ばまでは信頼のおける統計情報がなく、正確な状況はわかりませんが、海外の茶商等の残した記録などから、盛んに輸出されていたことがわかります。

1883年〜1965年までの日本茶輸出量

 戦前は盛んに輸出された日本茶ですが、第二次大戦により、生産量、輸出量ともに一旦大幅に減少しました。しかし終戦後、アメリカの援助物資の見返り物資に選ばれると輸出は拡大し、最盛期には15,000トンを超えるまでになりました。これは茶業発展のきっかけとなりましたが、中国茶の世界市場復帰や円高による国際競争力の低下、生活水準の向上による国内需要の増加もあって、輸出量は急速に減少しました。

 ついに1991年(平成3年)には253トンと過去最低となりましたが、その後年々増加し、2005年(平成17年)には1,000トン台に、2010年(平成22年)には2,000トン台になりました。2020年は新型コロナウィルスの感染拡大の影響で一旦減速しましたが、2021年には約6180トンと再び拡大しています。近年の輸出量・額については日本茶輸出実績をご覧ください。

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